体 質 と 健 康

 人間は、目に見える肉体以外に、実は気の体であるエーテル体、感情を司るアストラル体、思考を司るメンタル体という3つの身体を一般に持っています。肉体を含めた全ての身体は、前述した4種類のドーシャにより維持、調節されています。また各ドーシャは、それぞれに適した場所で、適切な働きを担っています。
 そしてどの身体においても、4種類のうちで最も優位なドーシャが一つあります。これは、個人によって生まれ付き決まっているものです。つまり優位なドーシャは、個人によって異なり、その違いは人の体質の違いとなって現れてきます。
 現在、一般的なアーユルヴェーダで主に扱われる体質は、肉体とエーテル体に係るものですが、肉体とエーテル体を区別せず、身体毎の優位なドーシャを考慮することなく、それらをまとめて、単一ドーシャタイプ、二ドーシャタイプ、ドーシャ均等タイプに分けて説明しています。
 正しくは肉体での優位なドーシャが、主に肉体的な特徴を表し、エーテル体での優位なドーシャが、主に気質や生理的な特徴を表します。つまり単一ドーシャタイプとは、肉体とエーテル体の優位なドーシャが同一の場合であり、二ドーシャタイプとは、それが異なる場合に相当します。そして均等タイプは存在しないのです。
 さて一般的な各ドーシャの性質は次の通りです。ヴァータドーシャは、主に風の性質で、乾、冷、軽、不規則(変化)、移動、微細、粗、速、清(純)といった属性があり、人間の体の中の動きすべてを司っており、その本質を一言で言うと"動かす力"です。そして太陽のヴァータは、ヴァータの中でも陽性的な性質を、月のヴァータは、ヴァータの中でも陰性的な性質を示します。
 ピッタドーシャの性質は、主に火の性質で、熱、鋭、軽、湿、流動(液状)、微油性、純、酸臭といった属性があり、体の中の火の要素であり、本質は"変換する力"です。
 カファドーシャは、主に水の性質で、冷、重、油性、遅(緩慢)、安定、濃、柔、滑、粘、鈍、濁といった属性があり、体の中の水の要素です。本質は"構造を維持する力"です。

 ここで健康や医学において大切なことは、個人でこのように体質が異なることから、健康法や治療法は個人によって異なります。ですからこの病気にはこれという治療法は、本来本質的なものではありません。
 また個人が健康な状態であるということは、この4種類のドーシャが均等になることではなく、個人の生まれた時に決定されるドーシャバランスが維持され、その体質が生かされることなのです。

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