中医学について

 中医学は、前述のアーユルヴェーダのように現代医学と異なり、人間を目に見える肉体だけの存在でなく、特に気の体であるエーテル体の存在を理解した上で、健康や病気について考察されています。
 人間の生理については、そのエーテル体の実体である気(その通り道である経絡やその働きとしての臓腑など)によって、どのように機能しているかが開示されています。その内容は、気という要素に、いわゆる血や水という要素を加えて、解説されています。
 病気になる原因や過程については、邪気(外邪と内邪)と飲食と労倦(肉体的及び精神的疲労)に分けて考察されます。特に邪気という概念がその中心にあり、体の中に侵入したり発生した邪気が、病気の経過とどのような関係にあるかが解説されています。
 そして治療については、その邪気の種類や存在する場所を判断し、それに応じて治療法が組み立てられます。そして実際には気、血、水の理論や陰陽五行説(寒熱や五臓六腑)を用いて、主に漢方薬や鍼灸によりその邪気を処理し、気を充実させることによって行われます。
 中医学は、主にエーテル体の生理を、つまり気という概念を中心に構築された医学であり、現代医学と異なり個人の体質(気質)を重視し、気のレベルでの原因を特定し、治療を施します。治療効果は、かなり高いレベルの結果をもたらします。
 しかしながらこの医学の理論は複雑で、また男女で気の流れ方向が正反対ということもあり、理解するのはかなり難しいようです。さらにこの医学を理解し、会得する為には、気の感覚を要することから、長年の経験が必要になるようです。  また病気になる原因や過程についての内容が、アーユルヴェーダほど詳しくなく、気についての考察が中心になっています。例えば霊の憑依と病気の関係は、明らかにはされていません。
 さらに邪気については、外部から受ける邪気(外邪)と、精神的なことで体の中に発生する邪気(内邪)とに分け、その性質はその影響に鑑みて風邪、寒邪、火邪、湿邪、燥邪、暑邪に分類されていますが、人から受ける邪気(気やネガティブな感情や想念など)については明らかにされていません。
 治療においては、邪気が詳しく考察されていますが、病気になる過程での影響やそれに対する対処については詳しく開示されていません。
 また食事については、陰陽五行説により、木火土金水の五つの性質と寒熱(その食品が体を温めるか冷やすかの性質)から食品を分類・考察しており、健康の為に有用な部分が多くあります。しかしながら具体的にどのような食品をどのように食べるべきかは、実際分かり難いのが現状です。

 以上のことから中医学は、病気の予防よりも治療を中心に考えられていると思います。
 ただ日本においては非常に認知度が高く、しかも中医学で使われる生薬は手に入り易く、日本の医療制度による保険が適用されるものも多いので、安価な費用で良い治療を受けることが出来るというメリットがあります。
 従って日本においては、正しい医学の基本概念を理解した上で、うまく利用することができれば、非常に有益な治療法であると思います。


 「中医学について」における参考文献等
 ■「大往生するための健康読本」織田啓成、第二海援隊
 ■ 竹下雅敏「東洋医学セミナー」 初級
 ■「大いなる生命学」 青山圭秀著、三五館

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