蓄積したアーマとドーシャ

 現代のアーユルヴェーダでは、蓄積してしまったアーマやドーシャを取り除くことは、健康維持や治療において大切な要点です。というのもドーシャを乱した直接的な原因を取り除く為に生活習慣を改善しても、一旦蓄積してしまったアーマやドーシャは簡単には排泄されないからです。アーマやドーシャが蓄積したままであると、体調が完全に改善されないだけでなく、病気になりやすい状態が続いているからです。
 ですから霊の憑依や邪気の蓄積の問題を解決した後に、蓄積したアーマやドーシャを取り除く為の処置を行う必要があります。家庭で行う日常的なものと、パンチャカルマと言って数週間に及ぶ入院施設のある病院などで行う医療的なものがあります。
 アーマやドーシャは、スロータスに付着したアーマに過剰なドーシャが定着することで普通蓄積しています。このような状態の時に、アーマやドーシャを強引に排泄させることは良くないと言われています。先ずアーマを消化・熟成させることが必要です。これは、アグニの機能を高めることによって可能となります。
 このアーマを消化・熟成する方法は、一般にアーマパーチャナと呼ばれ、アグニの機能を高めることを主体としたもので、以下のような方法があります。

1.白湯を飲む
 最も簡単なアーマパーチャナで、毎食白湯をコップ一杯すするようにする。白湯はアグニを高めることで、消化力を高めます。
2.アグニを高めるハーブなどを積極的にとる
 主に使用される薬草は生姜です。その他にも塩、黒コショウ、レモン、ターメリックなどが使われます。
3.アグニに応じた食生活にする
 自然のリズムでアグニが低下する朝・夕は食事を少なくし、また夕食に揚げ物や肉を取らないようにします。
4.少食にする
 甘い食物や脂肪分を控え、腹半分から8分目にします。また週に一日、野菜ジュースや野菜スープ、あるいは粥とか白湯のみで過ごすのもよいでしょう(特にカファ体質)。

 次にアーマが消化、熟成され、剥がされると、過剰なドーシャだけがスロータスに付着した状態になります。ここで主にオイルを用いてマッサージすることにより、体にオイル(一般にゴマ油、ピッタの人は夏場などではオリーブオイル)を浸透させます。付着しているドーシャを浸透したそのオイルに溶かし、スロータスから取り除きます。これはアビヤンガと言われる方法で、家庭でも行うことが出来ます。
 そして加温法(一般には発汗させる)によって代謝を良くすることで、このオイルは排泄しやすい場所(消化管や気道系)に集められます。これも、アビヤンガの後、家庭でお風呂に入ったり、シャワーを浴びて汗を出すことにより行うことが出来ます。 このようにして排泄しやすくなったアーマやドーシャは、一般には生理現象によって排泄されていくことになります。
 なお毎朝舌に溜まった白い苔のようなものは、自浄作用により排泄されたアーマですから、毎日掃除して、取り除くことが必要です。そのままにしておくと、また吸収されてアーマになってしまいます。

 一方医療的なパンチャカルマでは、上述のような方法で消化管や気道系に集められたアーマやドーシャを、5つの方法で人為的に排泄させます。鼻からは経鼻法で、口からは催吐法により過剰なカファを、小腸からは寫下法により過剰なピッタを、大腸からは肛門を通じて浣腸法により過剰なヴァータを出します。さらに皮膚からはアーマや汚濁した血液を瀉血法により排泄させます。


 「蓄積したアーマとドーシャ」における参考文献等
 ■竹下雅敏「東洋医学セミナー」 中級・上級
 ■「大いなる生命学」 青山圭秀著、三五館
 ■「インドの生命科学アーユルヴェーダ」上馬場和夫・西川眞知子著、農文協
 ■「ファンタスティックアーユルヴェーダ」蓮村誠著、住宅新報社

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